不動産を購入して家賃収入を得る不動産投資は収益が安定しやすいことから投資家に人気があり、さらに土地や建物といった有形財産が手に入るため老後の資産形成がしやすいという特徴もあります。
そのため知識や経験が少ない投資家でも資産運用しやすく、成功しやすい投資手法といえるでしょう。
その一方で不動産投資には種類があり、どの投資先を選択するのかで利益の内容が変わる可能性があります。
そこで、この記事では不動産の投資における代表的な4つの種類について徹底解説します。
メリット・デメリットや物件選びの注意点も解説しますので、参考にしてください。
不動産投資とは
不動産投資は中古の戸建てやマンションを中心に物件を購入して賃貸として運用・管理することで入居者から家賃を得る投資方法となっており、新築物件ではなく物件価格の安い中古物件から収益物件を選択することで初期投資を抑えられるという特徴があります。
一棟アパートのように高額な物件だけでなく数万円程度の空き家などもあるため少額でスタートすることもでき、投資の初心者でもリスクが少ないという特徴が人気となっています。
また所有している不動産を賃貸経営することは節税効果もあり、相続税対策できる資産としても優秀です。
さらに然るべきタイミングで売却することでまとまったキャピタルゲインを得られることから、不動産投資は投資の中でも資産形成がしやすい手法といえるでしょう。
不動産投資の種類:一棟投資
一棟投資とはマンションやアパートを一棟まるごと所有し、運用・管理する手法です。
不動産投資の中でも大がかりな投資となっていることから、ハイリターン・ハイリスクのイメージを持つ人も多いでしょう。
この章では一棟投資のメリット・デメリットについて解説します。
一棟投資のメリット
アパートやマンションに住む住民全員から賃料の支払いを受けられる投資のため、不動産投資の中ではもっとも収益性が高いというメリットがあります。
さらに管理会社に運営・管理を任せたりサブリース契約にすることで管理の手間を省き、家賃の下落に対応することも可能です。
さらに売却を検討する際には価格を高値に設定しやすく、土地として販売しても価値が存続しやすい傾向にあります。
このように、一棟投資はインカムゲインもキャピタルゲインも多いというメリットがあるといえ、多くの投資家が憧れる手法といえるでしょう。
一棟投資のデメリット
一棟投資は収益性が高い一方で「空室問題」や「維持費の高騰」といったリスクを抱えることになり、大きなデメリットです。
たとえば運用しているアパートの周辺環境が変わって競合の賃貸が増えた場合、退去者が増える可能性があります。
このような場合に備えて管理会社が一括借り上げするサブリース契約を締結するオーナーも多いですが、家賃の下落やサブリース会社の倒産などリスクを全て回避できるわけではありません。
また築年数が古くなるにつれ経年劣化が進み、故障や修繕が必要な箇所は増えていきます。
そのため維持費が高騰することで運用期間が長いほど利回りが悪化するケースもあり、アパート投資やマンション投資の注意点といえるでしょう。
これ以外にも初期投資が高くなってしまい、自己資金だけでなくローンを検討しなければならないという点もデメリットです。
不動産投資の種類:区分投資
一棟ではなくマンションの1室を所有し、民泊や賃貸物件として貸し出す投資もあります。
区分投資と呼ばれるこの手法にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
この章で詳しく解説します。
区分投資のメリット
区分投資のメリットは物件の購入価格が安く、売却しやすいという点にあります。
さらに専有面積が小さく共有部は管理会社が管理・修繕することからリフォーム費用も安くなり、その結果初期投資を抑えられることができます。
さらにマンションは立地が良ければすぐに買い手がつくことから、ある程度収益を得た時点で売却し、次の投資資金にする計画が立てやすいという点も魅力といえるでしょう。
区分投資のデメリット
区分投資は管理規約や使用細則といったマンションのルールに縛られることになり、場合によっては賃貸経営がNGとなることもあります。
特に民泊は不特定多数の人が入れ替わりで部屋を利用することから騒音や臭気の問題が起きやすく、他の住民からクレームを受けることも少なくありません。
そのため区分投資を行う場合は管理会社や理事長、他の住民に対して理解を得る必要があります。
なお、区分投資のメリットとして「立地が良ければ売却しやすい」という点がありますが、賃貸人が住んでいる状態では内覧しにくく空室になってからでないと売却できないというデメリットもあります。
このことからも売却を決めたタイミングで入居者に退去してもらう必要があるため、場合によっては入居者と退去について交渉することになるでしょう。
不動産投資の種類:戸建て投資
マンションではなく一戸建てを使った投資も人気であり、海外赴任が決まった人や外国人が長期滞在する場合など様々な世帯に需要があります。
そのため日本だけでなく海外の投資家も注目している投資となっているため、これから投資を始める人は特徴をチェックしておきましょう。
戸建て投資のメリット
戸建てはマンションと違って土地と建物の資産を残しやすく、将来売却したり資産価値の高い物件を相続させられるというメリットがあります。
さらにマンションよりも延床面積が広くなるため家賃収入も多くなり、収益が安定しやすくなります。
このような特徴があることから、空き家になった実家を民泊や賃貸物件として公開するオーナーも増えています。
戸建て投資のデメリット
戸建て投資はマンションよりも初期投資が高くなるだけでなく、家屋と敷地の管理工数と費用がかかってしまうという点もデメリットといえます。
マンションの場合は草むしりや共有部、外壁、屋根の修繕を全て管理会社に任せることができますが、戸建ては所有者がこれらを実施しなければなりません。
そのため定期的に草むしりをしたり入居者から設備破損の連絡があれば対応しなければならず、生活拠点から遠方にある戸建てを所有した場合は非常に手間がかかるケースもあります。
このことからも戸建て投資を検討する場合はなるべく管理がしやすく、築年数が浅い物件を選ぶ必要があるため物件選定が難しくなるというデメリットもあるでしょう。
不動産投資の種類:空き家投資
空き家投資は戸建て投資とよく似ていますが、誰も住んでいない、管理されていないという点が一般的な戸建て投資と異なります。
年々増加傾向にある空き家ですが、投資目的で修繕し活用することで負債から収益物件に生まれ変わらせることが可能です。
この章では空き家投資のメリット・デメリットについて解説します。
空き家投資のメリット
空き家投資のメリットは価格が安く、不動産投資の中で一番初期投資を抑えらえる可能性が高いといえます。
そのため初心者だけでなくベテランの投資家も注目しており、空き家バンクなど空き家専門のポータルサイトも多く公開されています。
このことからも、投資には興味があるものの少額でスタートしたい人に向いている投資といえるでしょう。
空き家投資のデメリット
空き家が安い理由は築年数が古かったり再建築が不可だったりと、何かしら安くなる原因があるからです。
つまり、空き家投資は売却がしにくいというデメリットがあるといえ、郊外にある空き家は空室になるとそのまま放置されるケースも少なくありません。
しかし空き家を放置すると「特定空き家」に認定される可能性が高くなり、認定されてしまうと強制解体や固定資産税の優遇措置を撤廃されてしまうこともあります。
このように、空き家投資は初期費用が安くなる一方で所有すること自体にリスクがあるといえるでしょう。
初心者におすすめの不動産投資は?
どの不動産投資にもメリットとデメリットがあるため、予算や目的を決めた上で少額スタートするのが初心者にはおすすめです。
そのためにもどのような投資を選択すべきか不動産会社に相談し、収益計画をイメージした上で物件を選ぶことがポイントです。
まとめ
不動産投資は株や証券よりも収益が安定しやすく、投資の中では比較的リスクが低いとされています。
そのため投資の初心者からベテランまで不動産投資は幅広く人気がありますが、投資に利用する不動産の種類によってメリットとデメリットが異なるという注意点もあります。
このことからもまずは不動産投資の種類とメリット・デメリットを理解し、自分に合った手法を選択することが大切といえるでしょう。
投稿者プロフィール
- 1987年生まれ。高校卒業後に工場勤務し、21歳から不動産業界(賃貸)に足を踏み込みました。24歳のときからマンション、土地、一棟アパートの売買仲介に携わり、これまで決済した案件の総額は100億円を超えます。現在は妻と子、犬と一緒にのどかに暮らしています。
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