「不動産投資を始めたい、でも最初にどんな費用がかかるのだろう…」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、投資物件の購入費用以外に何が必要なのか、また初期費用を抑える小技も分かりやすく紹介します。
不動産を買うときの初期費用をご紹介します
では早速、順番に見ていきましょう。
物件購入費
不動産投資物件としては、アパートやマンションの一棟買い、区分マンション(ワンルームマンション)、一戸建ての購入が多いでしょう。それぞれ都市なのか地方なのかといったエリアや、交通の便の良さ、医療施設や店舗が近くにあるか等の周辺環境によって、物件価格には大きな差があります。また、ワンルームマンションにしろ戸建てにしろ、新築物件か中古物件かによっても相場が異なるので、初期費用を抑えたい場合は予算に合わせて検討すると良いでしょう。
全額自己資金で始める場合は、当然物件購入費全額が初期費用としてかかりますが、不動産投資ローンを利用する場合は、頭金の割合によって変わってきます。頭金の考え方については別の記事で紹介しているので、是非参考にしてみてくださいね。
ローン事務手数料
不動産投資ローンを組んで物件を購入する場合、銀行に支払う事務手数料と、ローン保証会社に支払うローン保証料が必要になります。
中古物件など比較的安価な不動産は100%自己資金で購入するケースもありますが、新築の戸建てやアパート、マンションを購入する場合、数千万、数億単位のお金がかかってくるため、ローンは必須と言えるでしょう。
不動産取得税
不動産を取得する際にかかる税金で、下記の計算式で算出できます。
不動産取得税=固定資産税評価額×3% (※住宅以外の家屋の場合は4%)
固定資産税評価額は不動産購入価格とは異なるので、混同しないよう注意しましょう。
仲介手数料
不動産を仲介会社を通して購入する場合に支払う手数料で、下の表の通り、上限額が定められています。
取引額 | 仲介手数料 |
---|---|
200万以下の部分 | 取引額の5%以内+消費税 |
200万円を超えて400万円以下の部分 | 取引額の4%以内+消費税 |
400万円超の部分 | 取引額の3%以内+消費税 |
出典: 初期費用の相場はいくら?初期費用を抑える5つのポイント|LIFULL HOME’S
ただしこれはあくまで上限で、上限の半額ほどであったり、手数料無料で仲介してくれる業者もあります。安かろう悪かろうにならないように、仲介サービスの内容と費用のバランスをしっかり見極めましょう。
印紙税
契約を結ぶ際に払う税金で、契約書に貼る印紙代として納めます。物件を購入する時と、ローンを組む場合はその契約時にも支払いますが、契約書を2通作成する場合、売主と買主双方で負担することが多いでしょう。
記載された契約金額 | 不動産売買契約書 | 金銭消費貸借契約書 |
---|---|---|
100万を超え500万円以下 | 1,000円 | 2,000円 |
500万を超え1,000万円以下 | 5,000円 | 1万円 |
1,000万を超え5,000万円以下 | 1万円 | 2万円 |
5,000万を超え1億円以下 | 3万円 | 6万円 |
1億を超え5億円以下 | 6万円 | 10万円 |
出典: 初期費用の相場はいくら?初期費用を抑える5つのポイント|LIFULL HOME’S
登録免許税
不動産を購入すると、所有権が自分にあることの証明として「所有権登記」を行わなければなりません。
新築物件の場合
投資物件を新築する場合は「所有権の保存登記」が必要で、税率は0.4%となります。
中古物件の場合
一方中古物件を購入する場合に必要なのは「所有権移転登記」で、建物の税率は2.0%です。さらに購入代金にローンを充てる場合は、新築、中古にかかわらず、物件を担保に入れるための「抵当権設定登記」も必要になります。この場合の税率は0.4%です。
司法書士への報酬
登記手続きは、自分で行うことも出来ますが、ある程度の知識や手間がかかります。司法書士に依頼する場合の相場は数万~15万程です。
火災保険料
火災や地震などのいつ起こるか分からない災害によって思わぬ損失を被ることがないよう、万が一に備えて保険にはしっかり加入しましょう。
初期費用のシミュレーション
初期費用として必要なものにはなにがあるのかわかったところで、気になるのは「実際いくらくらいかかるの?」というところでしょう。今回は物件価格1000万円の中古物件を購入したとして想定してみます。
頭金 | 1,000,000 |
---|---|
仲介手数料 | 360,000 |
登記費用 | 100,000 |
登録免許税 | 120,000 |
火災保険料・地震保険料 | 30,000 |
契約印紙代 | 10,000 |
銀行手数料・ローン保証料 | 250,000 |
合計 | 1,870,000(頭金含む) |
頭金をいくら入れるのかや、本人の属性によって融資条件が変動するため、上記はあくまで一例です。一般的に、物件価格の15%前後と言われています。
初期費用を抑える工夫
「不動産投資を始めたいけど、自己資金がそれほど潤沢ではない…」とお悩みの方向けに、いくつか初期費用をさえる工夫を紹介します。
仲介会社を比較検討する
先の項でも説明した通り、仲介会社をどこにするかによって仲介手数料は大きく変わります。むやみにサービスの質を落とすのは危険ですが、何社か比較検討するのが良いでしょう。
複数の司法書士に相見積もりを取る
登記に関わる費用も、削減可能なポイントです。準備するには時間も取られてしまうのであまりお勧めできませんが、自分自身で登記手続きを行うと、初期費用もぐっと抑えられます。
物件価格を抑える
そもそもの話にはなりますが、購入しようとしている物件がご自身の手に負えるのかどうか、一度立ち止まって検討してみることも大事です。不動産投資を始めたはいいが、収益が上がらずランニングコストも払い続けられなくなった…なんてことがないよう、投資計画は慎重に立てましょう。
まとめ
ここまで不動産投資にかかる初期費用を説明してきましたが、いかがでしたか?他にも、これから不動産投資を始めようと考えている方にとって役に立つ記事を配信しているので、是非参考にしてみてくださいね。
投稿者プロフィール
- 1987年生まれ。高校卒業後に工場勤務し、21歳から不動産業界(賃貸)に足を踏み込みました。24歳のときからマンション、土地、一棟アパートの売買仲介に携わり、これまで決済した案件の総額は100億円を超えます。現在は妻と子、犬と一緒にのどかに暮らしています。
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