そもそも、利回りってなに?
まず、不動産投資における利回りは3種類あります。
一般的によく見かけるのは「表面利回り」
単純に「年間家賃を販売価格で割ったもの」
例:400万円(年間家賃収入)÷5000万円(販売価格)x100=8%
次に見かけるのは「想定利回り」
これは新築アパートなどまだ入居者が実際はついたことがない物件の家賃収入を仮で想定したもの。
最後に一番重要な「実質利回り」
不動産を購入する際、実際には諸費用がかかります。また、家賃も表面利回りでは「満室」を想定していますが1年間ずっと満室とは限りません。
また、中古物件の場合「リフォーム」が必要な場合もあります。「表面利回り」には「リフォーム代金」は含まれません。
実質利回りを計算してみましょう
先ほどの例の満室家賃収入400万円、販売価格5000万円の物件を例に実質利回りを計算してみましょう。
このアパートは6世帯で実は現在入居率50%(3世帯空室)諸費用200万円
空室の部屋はリフォームが必要で1部屋60万円かかるとします。
まず、家賃収入は50%なので200万円です。
実際の購入価格は
本体価格の5000万円+諸費用200万円+リフォーム費用(60万x3)
=5380万円
購入時の実質利回り:200万円÷5380万円=約3.7%
満室後の実質利回り:400万円÷5380万円=約7.4%
どうでしょう、一言で利回りといっても見方によってだいぶ変わってきますね。
利回りと銀行融資の関係
利回りの目安を考えるとき、もう一つ知っておく必要があるのが物件を購入する際に銀行からの融資を受ける際の「金利」です。
例えば、物件価格の5000万円を金利4%、借入期間20年の融資で購入した場合年間の返済額は約364万円です。
満室時の家賃が400万円ですから、年間で手元に残るのは36万円です。
取得税や固定資産税
さらに、購入した年には取得税と固定資産税が毎年かかります。
どうやら、この物件では手元にお金が残らなさそうです。
では、どういう物件を買えばよいのでしょうか。
新築物件の諸費用
新築物件を買う場合、確認しておくべきは「諸費用」です。実質利回りを計算する際に重要です。
新築物件を購入する際、売主業者のさじ加減で入っていたり入っていなかったりする諸費用があります。何個かあげておくので新築を購入する際にはしっかり確認しましょう。
- 水道加入金
- 取得税
- 地盤改良費
区分物件(マンション)の諸費用
実質利回りを計算する場合、区分所有物件(マンション)を購入する場合は、管理費・修繕積立金や駐車場代等も別途計算に入れる必要があるので、気を付けましょう。
イールドギャップ
いきなり、少し難しい専門用語が出てきましたが、この「イールドギャップ」というのは利回りと金利の差額の事です。
利回り8%で金利4%だとイールドギャップは4%となります。
一般的には、このイールドギャップが5%以上を目安にするとよいと言われています。
基準とする利回りは「表面利回り」ではなく「実質利回り」で考えるのが理想的です。
実際には、「実質利回り」で5%取れる物件にはなかなか巡り合えない現実もあるのでこの点は要件等です。
借入比率
利回りとは少し違うのですが、補足として不動産投資を安定経営するためには融資の年間返済額が家賃収入の50%以下になるような融資の組み方が理想的です。
まとめ
不動産投資は色々な基準があります。
その中でも「利回り」は不動産投資の代表的な基準です。
そして、ほとんどの不動産投資家は結局手元にいくら残るかが一番のテーマだと思います。
結局利回り何%で買えばよいのかといえば、買う物件や金利・自分が手元にいくら残したいか等で変わります。
自分にとって適切な利回りを計算する際には手元にいくら欲しいのかをまず決めて銀行の金利や家賃・諸費用等をしっかり確認し逆算してしっかり計算することが、上手な不動産投資のポイントとなります。
投稿者プロフィール
- 1987年生まれ。高校卒業後に工場勤務し、21歳から不動産業界(賃貸)に足を踏み込みました。24歳のときからマンション、土地、一棟アパートの売買仲介に携わり、これまで決済した案件の総額は100億円を超えます。現在は妻と子、犬と一緒にのどかに暮らしています。
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